フリクションインキはなぜ消えるのか

ボールペンは滑らかな書き味で使いやすいのと同時に、インキが紙面にしっかりと定着して文字を残すことができ、後から変更をしたくない文書や署名などを記述する際に役立ちます。その一方で、人間が取り扱うからこそ時には書き損じをすることがあり、その際には鉛筆のように消しゴムで消して書き直したいと思うケースも少なくありません。そんな中で登場したフリクションインキは、消すことができるボールペンのインキとして多くの人々に衝撃を与えました。その一方でフリクションインキがなぜ消えるのか、気になるところです。

フリクションインキはカプセル状の粒子になっており、色を表現する色素と消すための成分が混合されていますが、紙面に文字を書いてインキが付着した状態では消すための成分が眠っている状態です。ここまでは従来型のボールペンと何ら変わりませんが、専用のラバーで擦ることで変化が現れます。消すための成分は温度の影響を受ける性質を持っており、ラバーに擦られることで生じる摩擦熱により60度程度に達した頃から変化し始め、65度に達すると消すための成分や色素と結合することで文字が消えると言う仕組みです。これまでも消しゴムで消せるインキは存在していましたが、簡単に消えるようではボールペンである意味が薄れていたのも確かです。

そんな中でフリクションインキを採用したボールペンなら、書いたものを消すには専用ラバーが必要となることから通常は簡単に消えることは無く、必要に応じて消すことができるという便利な仕組みになっています。

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